外皮をもつ回廊で、内と外をつなぐ
敷地は南に下っていく斜面に穏やかに繋がり、川を挟んで亜熱帯の鬱蒼とした森がある。
沖縄の自然は美しく豊かであると同時に、ギラギラと照りつける陽射しや猛威を振るう台風など、沖縄特有の厳しい側面もある。こうした自然環境を受け入れることから計画は始まった。
ここに建つ建築は、強烈な陽射しに素肌を晒すような建築ではなく、外の暑さに対し、室内はヒンヤリした空気感でありたいと思った。そこで、麻のシャツのように陽射しを遮りつつ、通風の確保できる建築的外皮で建物の外側を囲み、光と空気が行き交う回廊的な中間領域を設けた。回廊は陽射しや雨をしのぎ、生活動線として積極的に活用することで、沖縄の環境ならではの暮らしやすい住宅を生み出すことができると考えた。回廊の幅は使い方に応じて変化させている。外皮としてスチール手すりに熱を蓄えにくい木のフェンスや植物用のネットを取り付けた。木のフェンスは陽射しによって変化を富んだ陰をつくり出し、生活を優しく包む。また、植物ネットにからんだ蔓性の植物は沖縄の自然と呼応する。
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