この家は、北側道路からの旗竿敷地に建っている。旗竿敷地の特徴は、四方を建物に囲まれてしまうという事。その上、南側にアパート、その開放廊下という厳しい条件が加わった。このような条件であっても、家として太陽の恵を感じる南向き、その居心地を建築的につくりたいと思った。結果として、LDKを北側に寄せ、樹木を囲むL字型のプランとなる。そのことで、隣家との距離をつくる事で南向きの居心地が生まれると考えたからである。そして、南向きばかりを意識してしまうと北側道路・社会に対して、背を向けてします。この家は、北側道路に向かい、台所とつながるサービスバルコニーを設けることで、社会とつながりたいと考えた。家という個人的な建物であっても、社会の一員である。小さなディテールでもよいから、しっかり家と社会をつなげておきたい。旗竿敷地という特性を建築的な手法で、居心地をつくりだした建築である。

清瀬の家　旧blog   https://sigenori.exblog.jp/i63/