敷地は八ヶ岳を背に広がるなだらかな東斜面地で、カラマツ林に囲まれた標高1400m、敷地面積500坪の土地。都会の喧騒から離れ、手つかずの美しい自然と静寂に包まれた場所。この広い敷地の中で建物を受け入れてくれるところ、住処として座りのよい場所はどこだろうか。
たとえば、野外でテントを張ったり、お弁当を食べたりするとき、人は自然と見晴らしがよく、心身ともに休まる平坦な場所を選ぶだろう。ここでは、なるべく自然を壊さずにすむよう木立の少ない場所を慎重に探した。
同時に自然に囲まれたこのような場所では、安心して身を守り、委ねることのできる「頼れる何かがほしい」と思う。そのような場所は、ここには見当たらない。であるならば、建築として、「平らな床と頼れる何か」を優先して考えた。積雪量1m、凍結深度1mの地。冬の寒さを思うと「火」の存在は欠かせない。できあがった小さな山荘は、視線の先には、いつも「火」があり、「家の素形」となる建築。
長野・八ヶ岳の家
所在地 | 長野県南佐久郡 |
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主要用途 | 別荘 |
地面積 | 1663.99㎡ |
敷建築面積 | 88.45㎡ |
延床面積 | 88.45㎡ |
構造 | 木造在来工法 |
規模 | 地上1階 |
竣工 | 2018年6月 |