清瀬市は東京の西郊外にあり、武蔵野台地の平坦地で、武蔵野の森に位置する。土壌の良さから農業の盛んな地域である。都心からの通勤圏ということで、畑地からの宅地化が進んでいる。敷地は、例にもれず畑地からの開発された6軒宅地の分譲地の一部で、交差点に接する南東角地である。このように開発された住宅地の建物の多くは、建物の室内・内側だけを考えた箱づくりに力を注ぎ、建物の外側環境のことや、それに続く街並みを意識した計画が少ないように感じる。街並みを形づくるのは、個々の建物であり、その多くは住宅である。
角地は、敷地の二辺、道路に接する。道路は宅地をつなぎ、街並みを形成し、建物と社会をつなげる。二辺、道路に接するということは、周辺環境への影響も大きい。設計する前に考えていたのは、「街並みを担う責任のある建物をつくりたい」ということ。そして、ここを緑豊かな武蔵野の森に繋がる「希望の場所にしたい」と想うようになった。その思いをクライアントに伝えると、「私達も同じ考えを持っていました」との返事。そこから建築が始まった。
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